もみじまんぢゅう15種類食べ比べ→おすすめの味BEST4発表!

随想録

 今日は、宮島さんで購入した『もみじまんぢゅう』15種類の食レポです。
 最初に見つけたお店が「藤い屋」さんと思って11種類購入したのですが、よくよく見ると11種類全部が「藤い屋」というわけではないようです。「藤い屋」は5品、「やまだ屋」が4品、その他2品でした。お店も山本門次商店というお店でした。

 その後、「やまだ屋 宮島本店」を見つけたので覗いてみました。
 既に11個買ってた上に時間も押してたので、こちらでは『おりじなるファミリー』というセット商品を買いました。ぱっと目を惹いたパッケージ(琥珀色の紙に嚴島神社と弥山を俯瞰するアングル+大きな鹿の頭が描いてある)、4種類×2個という適量、宮島限定のチーズ味入り、そして千円ぴったし(小銭の受け渡し不要)で、これいいじゃんと。

<個別寸評>

 

01:こしあん(藤い屋)

 開封した瞬間のとても良い香りがうれしくなる。上品な味わい。甘過ぎず口当たりも良い。生地はカステラ状ですがパサパサしてなくて、のど越しも悪くない。久方ぶりに食しましたが、美味しいです。
 「まんぢゅう」は観光地の土産としてはありふれてますが、『もみじまんぢゅう』は伊藤博文のデカダンなジョークにヒントを得たという誕生の歴史といい、風味といい、どんな人にも出せる上品さ・控えめな甘さ、トータルで「まんぢゅう」部門の上位に置けると思います。
 どちらかというと甘いのが苦手でコーヒーはブラックで飲む私がおすすめできる「まんぢゅう」です。区分は「和生菓子」

 

02:つぶあん(藤い屋)

 粒がしっかりで小豆の歯ごたえがあります。「THE あん」て感じです。
 『こしあん』と『つぶあん』このスタンダードの二種類は緑茶が合います。

 

03:抹茶あん(藤い屋)

 風味はたしかに抹茶を感じますが、「あん」がメインなのでその甘さの方が強いかな。抹茶もかなり奥が深く、味わいの幅が広いですから組合わせの試行錯誤なかなか難しいと思います。

 

04:チョコレート(藤い屋)

 和の「あん」に対し、洋の「チョコ」って感じで、一見定番ぽい感じですけど、このチョコはただのチョコじゃないです。ミテ下さい。もうこれ美味いやつ確定でしょう。チョコレートというよりクリームチョコですよ。ああ美ん味い。そして日本の菓子らしい控えめな甘さ。
 ただのチョコじゃないのは見た目だけではありません。ココアパウダーが使ってあります。
 ばら売りのコーナーでチョコだけ欠品してて補充してもらったんですが、人気なのが納得です。コーヒーと合います。

05:カスタードクリーム(藤い屋)

 カスタードも洋菓子の定番なので、カステラ生地によく合ってます。
 原材料見ると洋酒が使われてるようですが、全く感じなかったです。

 

06:レモンもみじ


 パッケージがこれまでのと違いますね。横長です。割ってみるとこれはレモンあんですね。レモンと「あん」相性は良いですね。「あん」の甘さの中にしっかりとレモンの風味を感じます。
 特筆すべきはこの黄色い粒。わかりますか?これ、原材料でみると「レモン果皮糖漬」のようです。小まいレモンの皮も使ってあるんですね。これが食感のアクセントにもなり、また噛み締めた時により一層「レモン」が広がります。
 ただのレモン味で終わらせないこだわりを感じる逸品です。こちら「やまだ屋」さんの商品です。

 

07:ほろ酔いもみじチョコレートコーティング


 表面にチョコが掛けてあります。洋酒が使ってあり結構アルコールを感じるので人を選ぶ商品ですね。中は「こしあん」だそうですが、最初に食べた「こしあん」とは違います。黒っぽい。味はまったく別物って感じで『もみじまんぢゅう』らしさはほとんどありません。コーティングチョコのインパクトが強く和洋折衷というより、ちょっと高級な洋菓子といった風味で、バッカス(チョコ+ブランデー)をもっとまろやかにした感じ。ずいぶん思い切った商品だなあと思ったら、これは「藤い屋」の商品じゃなかったです。

 

08:もちもちもみじこしあん


 これも異色のタイプ。外側の生地がもにゅもにゅしてます。原材料は同じ「こしあん」ですが、色も味も全然違います。もっちりの食感を楽しむタイプ。これも「藤い屋」の商品じゃありません。区分は「まんじゅう」

 

09:栗っ子もみじ


 栗とまんぢゅうも定番の組合わせですが、栗甘露煮を栗あんにしてカステラ生地に包んだ『栗っ子もみじ』はとても食べやすい味です。「やまだ屋」の商品です。

 

10:赤もみじ


 開けた瞬間、いちごジャムの香がしました。いちごジャムを使った「いちごあん」です。

 

11:白もみじ


 白い紅葉というのは存在しませんが、赤とセットで紅白という企図でしょうか。牛の絵が描いてあります。使われて居るのは牛肉、ではなく「ミルクあん」。メインの材料的には白生あんに練乳の組合わせ。たしかにミルクというより、「あん」の甘味の後から練乳が追いついてくる感じです。

 

12:チーズクリームもみじ


 チーズはなかなかクセのある食品ですが、クリームにしてあるのがポイントです。日本で主流のプロセスチーズよりもチーズ感は抑えめで甘いカステラ生地とも違和感はありません。ほんのりとチーズの風味が感じられる。
 注意点があって、これだけ賞味期限が短くなってます(5~7日目安)。

 

13:クリームもみじ(やまだ屋)


 「やまだ屋」のクリーム味。これ美味しいです。「藤い屋」のカスタードより好きな味わいです。

 

14:チョコもみじ(やまだ屋)


 「やまだ屋」のチョコ味。これは「藤い屋」の方に軍配です。原材料はチョコレートフラワーペーストとなってます。

 

15:もみじ饅頭(やまだ屋)



 こちらは「やまだ屋」のスタンダードな味ですが、「藤い屋」のこしあんと比べて香も味わいも「藤い屋」の方に軍配です。

【総評】

 とにかく『もみじまんぢゅう』の最大の特徴はと言えば、和菓子なのに甘過ぎないという点でしょう。観光地のお菓子は有名な割にイマイチと言われがちですが、この『もみじまんぢゅう』は充分おすすめに値すると思います。数日掛けて15個を食しましたが、また食べたいと思わせる味が多かったです。

 写真で比べると分かりやすいですが、同じ「こしあん」でも各社で全く違います。
 量的には「やまだ屋」はどれも「あん」が多めでお得感がありますが、食べた時の口中のバランス(食べやすさ・のどごし)という点では「藤い屋」の方が若干食べやすいように感じました(個人差のある感想です)。

 チョコレートコーティングや「もちもち」は、伝統的な既定路線とは違った新しい試みと言えます。特に内側の「あん」ではなく、外側の生地に手を入れてるのがポイントでしょう。老舗の二社は多彩な味展開をしながら、すべて内側の変化でしかないからです。その外形的なスタイルこそが『もみじまんぢゅう』のアイデンティティなのかも知れません。
 しかし私は敢えて外側の新機軸に挑んだ企業の姿勢を評価したいです。何故ならこのまんぢゅうの発端は、「若い娘の手」だからです。紅葉のような若い娘の手――その禁断の食材を何処まで表現できるか。そこから明治期に発案・実現されたのは「もみじ型の和生菓子」でした。
 この愛らしい土産は今も愛される伝統品ですが、イノベーションは常に伝統から派生し、そしてまたその派生のアラベスクの中で伝統の魂はひときわ輝きを放つのです。

 今回紹介した15種類以外にもまだまだあるみたいで、「揚げもみじ」というのは食べたことないですが行列できてました。どんな味がするのかなぁ。
 なのでなので、また宮島へ渡島する機会がありましたら第二弾をやりたいですね。

<おすすめの味はこちら>

①レモンもみじ(やまだ屋)
②こしあん(藤い屋)
③チョコレート(藤い屋)
④クリームもみじ(やまだ屋)

 

【賞味期限について】

 箱入りのものは外装に、個別のものは各包装紙に記載されています。だいたい10日~14日が目安です。チーズクリームは期限が短めで、これがセットに含まれてる場合はそちらが表示されています。

【その他】
 ビニールは有料ですが、紙袋は無料で頂けました。シナイの某本屋と違って良心的。(アルパークの映画館もパンフ購入時、紙袋は無料でしたね)
 やまだ屋本店はセット購入時、厚手のビニール袋無料で付けて頂けました。