HACHI『Revealia』における心象風景(二~三聽目)

HACHI『Revealia』における心象風景(二~三聽目)

二回目はタイトルの意味を調べて聴きました。(新たな心象を追加)
三回目は歌詞を目で追いながら聞いた。(詩文に対する感想を追加)

:これは本作を聴いての心象スケッチです。本作に龍やアザラシや修行者は出ません。また幽体離脱感などは個人差があります。

 

①「To Be Alive」
To Be Alive:生きている

 エフェクトのせいか別人みたいな声。反響する歌声。
 時計のような音といきなり怖い歌詞。(神棚から下ろして聴いたのが)三月四日だったので時期のせいもあったけど、震災のことが過ぎった。途中からの転調も怖い。

 

②「乖」
 読み方がわからなかった。ただこの漢字、画数は「8画」と見切ったので漢和辞書で調べると、読みは「カイ」、意味はそむく、はなれる。別離。とあった。例語で「乖離」があって、ああ、乖離の乖かと納得。「みなさん、さようなら」それは帰りの会。

ノイズ風の音。チリチリしたドラム。複雑なリズム。

 

③「∞」
 記号で書かれてる。∞は「無限大」、infinity
 「8」を横にした形でもある。8=はち=HACHIとするなら、∞はHACHIが寝ているとき(=活動してない時)にも通じ、普段の一人の女の子に戻った時・・・と、ここまで想像してみたが、歌詞世界とあまりに違い過ぎるので却下。

 西洋では神や超人あるいは真理を象徴。「Life」が組み合わされると神に導かれし人生といった意味になるか。

 音のアレンジが麻枝准をほうふつとさせてかなり好み。さびが気持ち良い。
 「流氷の下」ってのがとても美しい。冷たさと透明さとアザラシらしさがある。
 視点は誰なのか想像する。題名の如くぐるぐる廻ってるような気がする。残された者と逝ってしまった者と。
 無限性という点に着目するならジュール・シュペルヴィエルの『海の上の少女』を思い出せる。
 一度そう思うと、①~③が、一連の物語(被災、別離直後、海底)のように思えて悲しみが弥増す。そして④へ続く。

 催眠術に掛けられるように世界が現前してくるともう何も言えなくなる。
 この曲はこれからの彼女の代表曲になると思う。

 

④「誰も知らない」
物凄い高い声。別人のよう。
浸るだけ。ただ浸る。

 

⑤「ivy」
ivyは「ツタ」アイビー。(I BEE?)
花言葉は友情

強弱の効いた演奏
穏やかな海辺で聴きたい
①~④の雰囲気から変わって、ほっと息をつく。

 

⑥「Chère amie」
チレ・・・チェレ・・・チラ見? フランス語?スペイン語?

言葉がちょっと怖い
様々な音と声が織り成す
こういうのなんて言うん?ゆるラップ?ミュージカル味もある。
漱石の『夢十夜』の第一夜が想起された。

 

⑦「Empty Town」
Empty town:カラッポンの町

間奏が渋い。歌い方がかわいい。雨

 誰も居ないフォームがなんか苦しいという感覚はすごくよく分かる。遅刻がとっくに確定してる時間に学校に行くときのフォームとか、つい反対の電車に乗りたくなる。そのまま何処までも、ここではない何処かへ行きたくなる。早退してたった一人で立つバス停留所の妙な明るさも。あの青空の下の謎の焦燥感が苦手だった。

 

⑧「雨うつつ」
うつつ:[1]現実(夢の対義語)、[2]本心、[3]夢見心地、[4]生きている(死の対義語)。
「うつ・つ」だと「打ち棄つ」の転で「うちすてる」の意。

これも音が良い。いろんな音が乗せてある
若干生々しい歌詞
どの意味が想定されてるかよく判らない。

 

⑨「あいあいがさ」
 相合い傘:一本の傘に男女二人で入ること。黒板の端の日直の名前欄に傘のマークで書かれることもある。

撥ねるようなピアノ 男声?が気になる。。。
雨音と書いて「おんがく」と読む。ほう。
これラブソングかな。男声?が気になる。。。

 

⑩「Before anyone else」
Before anyone else:他の誰かより先に

 「Twilight Line」のテンション感(作曲者は違う)
 だけど死者の歌のようにもきこえる。優しく純粋無垢な死者。

 

⑪「星を待つ」
 星を待つという感覚は、ちょっとわからない。
 僕だったら何だろう。潮?「潮を待つ」だと釣人みたいだな。。「波を待つ」サーファーか。
 何だろう、わかんないけど、「星」は待たないかな。何故というと、星って象徴としては手の届かないモノを現すんですね。『星守る犬』っていう漫画がありますけど、ああいうように叶わない願いとか無駄な行為という意味にもなる。
 しかも⑩では「夜明が来るまで~」って歌ってて、それとも矛盾します。(明けの明星ならわんちゃんありか)

 「風を待つ」だとベタな感じだし、「月を待つ」だとお月見っぽくて団子が食いたくなるから駄目だ。「嵐を待つ」ディープパープルみたいだな。。
 うーん、、、「雨を待つ」雨乞いか! 「飴を待つ」子供か! 「おい、お松」はい旦那様。「箸を持つ」いただきます。なんでやねん。もうええわw

 そうですねえ・・・、ニーチェが星について述べた言葉がありますね。「お前の運命の軌道を行け 星よ、闇がお前に何の関係がある? ただ純粋であれ」みたいなことを言ってます。(『たのしい知恵』)
 ここには星の規則的な運行が想定されてます。
 でも星に成るじゃなくて、星を待つだから、ちょっと違いますよね。

 信仰という面では、東洋では陰陽道が関連が深くて、特に北極星を北辰として祭ることが見られます。密教ではこれを妙見菩薩と呼んでいますが、「辰」の字が使われてるせいか龍の上に立った姿で描かれます。「龍に乗った菩薩を待つ」というのは象徴的な意味としては通じるけど、曲のイメージとしてはどうかな。
 空海さんが若い頃室戸岬で修行してると明星が飛んできて口に入ったという伝説があるんですけど、そんな風に夜のミサキで独り修行してる体で聴くと、かっこよすぎて覚れそうw
(このイメージだと流れ星になる)

岬で待つ

 「宇宙(そら)」で待つって云ってるから、七夕のイメージかな? 「約束」とか「ひとりきりじゃ越えられない」というワードもそれに合う。

 

⑫「Revealia」
Reveal:示す、見せる

羽のある龍

ハミングがきれい。幽体離脱しそう。
「光の向こうへ」というフレーズがある。過去曲に同名の曲がある。

 「ともにいる」は歌詞だと「共」なんだけど、なんか「艫」が浮かぶ。船の後ろって意味。
 一艘の船、その舳先に羽のある龍が項垂れてる。それを彼女が後方(艫)から見守ってて、ラストの「わ~たしは、ここにいるー」で雲間から一気に光の筋が射して龍が顔を上げる。「とーもにいるー」で羽が広がっていきそれが風をはらんで船がぐんぐん進み始め、「こ~こにーあーる~~~⤴」で龍が羽ばたくと浮上がり、船はすぐ着水、龍だけが光の向こうへ飛んでいく――ああ、なんて美しい幽体離脱

 

⑬「Brand New Episode」
Brand new:真新しい・新品の
Episode:挿話

エレクトロが気持ち良すぎる。
最後音がずれるのが気になる。

雨上がり 龍のようなうねうねした虹

 虹は傘になり、傘が杖になり、その杖の握りが龍頭になっている。それがあれば雨が降りそうでも、道が険しげでも、年老いても、出かけていける。そうして気になる子が居れば、雨をさっと降らせて相合い傘もできる。それから橋の真ん中で雨龍たちは解散し虹が立ち昇る。
 二人の道はそこから分かれる。けれどあの日橋の上で見た虹のことはずっと忘れずにいる。

 

⑭「Rainy proof(Avec Avec remix)」
Rainy Proof:雨の 証

 通常版のボーナストラックです。過去にリリースされた曲。配信でもよく(リクエストされて)歌われる人気曲。
 この曲はアコースティック・バージョンがデジタル音源で出てて、気に入ってます。アコギが凄い沁みる。
 一方こちらはローファイ調? これもリズムが気持ち良い。⑬~⑭の流れが良い。