【夢記003】

10月15日
 旅館の温泉らしき場所に居る。山の上の方の旅館らしく、眼下に木立が広がって、そのくすんだ緑の合間を一条の川のように白い道が伸びて居る。
 温泉は全体的に黒い。水に濡れたからかそれとも元からなのか判らない黒い石が、窓からなだれ込んで来た土砂のように組まれている。
 その石群の上を服を着たままはだしで歩いて居る。傍に居るのはUか? 神社の話をしている。
 この辺りにはたくさんの神社があり、いろいろ参拝したいらしい。何処に行くべきか、私がその案内をしている。
 窓の外、はるか下の方にも神社があり、そこへも行きたいらしい。彼女と神社に行った記憶は無かった。
 神社について説明をする。神社と一口に云っても、いろいろな神社がある。そこは個人を祀った神社だ。
 濡れて滑りやすい温泉から室内へ入る。いくつかの部屋を抜けて大きな空間に出る。下と上に伸びた階段があり、上に行く階段をのぼる。空間の雰囲気は博物館かデパートのかなり上の方、催事場とか旅行代理店があるような階に似ている。吹き抜けになっている階段を迂回して隣の部屋へ入る。教室のような理科室のような部屋。何処かで見たような男が後ろの端に座っている。(日記を書いていると嫌な臭いがしてきた)
 一番後ろの列の後ろを通り抜けていると、中学か高校の教室に居る。いつの間にか生徒がみんな着席し僕と教師だけが立っている。私は後ろの席につこうとする。私はこの授業の課題をやっていないらしい。教師がやってくる。私を隅のゴミ箱へ連れていく。教室中の生徒がなりゆきを見ている。教師は僕が課題をやっていないことを云々しつつ、ごみの中のものを食わせようとする。飲みかけのペットボトルや食い残しのパンのようなものがある。
 やれやれといった感じで僕は「こいつを食えば満足なのか」と云。時間の無駄だと思う。(嫌な臭いがするな)
 仕方なく実行しようとしたところで、生徒が制止する。
 私の時間が何か変なのはこれが理由か?
 現実の私など誰も見ない。何を書いても反応はない。けど夢の中では反応がある。これは夢なのか?
 これはいつの記憶だろう? いや卒業をした憶えがない。そう私は大學へ通っていたはずだが、卒業をした、卒業式に出た記憶が無い。
 友人たちは何故急に連絡を寄越さなくなったのだろう。
 何かがおかしかった。

 鏡をにらむ私を、ぬいぐるみがじっと見ていた。本棚の影に招き猫の大きな一ツ目があった。今日の食事は思い出せたが、今日薬を飲んだかはどうしても思い出せなかった。