広島県の龍神祭祀社一覧
【更新履歴】
2024/01/29:「相殿/合祀系」を追加。
2024/01/18:公開
【例言】
神社の採録について
広島県神社庁発行『廣島縣神社誌』(1994)をベースに、筆者が現地で見つけた神社も追加した(適宜追加更新の予定)。その他参照した文献については各記事のほか参考文献欄にまとめて記載する。
社号・祭神名の表記
『廣島縣神社誌』では「旧字体と異体字は新字体に改めた。」とあるが、現地確認できたものは現地表記を採用した。
社号・祭神名の読み方
『廣島縣神社誌』では「一般的な読み方に統一」してある点、注意を要する。(諸文献や現地表記を参考に修正あるいは併記した場合がある)
祭神の配列
由緒や旧称等を勘案して筆者が変更した場合がある。
情報の正確性について
『廣島縣神社誌』は昭和63年頃から調査・編纂を開始し平成6年に刊行されている。2024年段階で三十年ほど経過しており、鎮座地・最寄り停留所・祭神・例祭日等が変更されたり所在が不明になっている例も少なくない。また筆者が現地参拝・記録した後に変更されていることも有り得る。鎮座地・停留所表記は稼働中の公式サイトや配布物がある場合はそれを採用しつつ、市販の道路地図のほか、複数のオンライン地図も参照し、可能な限り最新かつ正確な記述を心がけたがこれも飽くまで執筆時点における暫定的な情報である。
一部の写真は十年以上前に撮影したものや提供されたもの(原盤共同所有)も含む。また本質を損なわない範囲で記載事項を要約・取捨したり、写真の一部を加工して掲載した場合がある。
祭神・由来等に現地との齟齬・変更が確認された場合は、当該書の記述を基として、相違の見られた旨を記述する(原則併記)。
龍神の定義
古来より龍であることが確実視されているカミ。すなわち高龗神[taka-okami-no-kami]、闇龗神[kura-okami-no-kami]などのオカミ系と、龍王、龍女などの護法善神系。
広義にはミヅハノメ等の水神や海神、辨財天なども龍神とされるが、そのように見做さない例も少なくないのでここでは基本的に含めず、確実に龍神と同定されている場合のみ記載した。
詳細は別項に記載する。(まとめ中)
龍神祭祀社の定義
上記で龍神と定義した神を祀る神社。
社号または旧称に「龍神」「龍王」を含む神社。
龍に関する伝承があり、祭神または創祀と結びついている神社。
主祭神系
龍神を主祭神(祭神の筆頭格)として祀る神社。または由緒から推して主祭神と考えられる神社。
相殿/合祀系
龍神を相殿神として合祀した神社。
(相殿神とは、主祭神と同じ社殿に祀られる神で一般的に主神よりも格下に位置づけられる。相殿のほうが格上という例外もあるが、外部の者には判らないので別表に分け、由緒等から判断して分類した)
特殊系
定義したような一般的な龍神とは異なる独特の龍神信仰が見られる神社。
詳細不明の神社
『廣島縣神社誌』に未記載で現地案内板も無い龍神祭祀社。
所在不明の神社
『廣島縣神社誌』に記載の鎮座地に社殿が確認されない龍神祭祀社。
寺院境内社
寺院の境内にある龍神祭祀社や龍王堂。
<主祭神系>
社号 | 鎮座座標 | 祭神 | 特記事項 |
今櫛神社 [imagushi] |
西城町大屋598 | 天水分神 国水分神 |
旧称:龍王社、じおうさん。 鎮座年不詳。 今櫛山上の今櫛池前方にある。 この池は長さ七間余、深さ三尺ほどであるが旱魃にも涸れず雩祭(うさい)が行われる。 西城大富城主・宮景盛の娘照日前が投身し女人禁制となった。 古来より弁財天女八大龍王神と称したが、明治12年改称。 [未確認社] |
川東八幡神社 | 千代田町川東野々頭807 | 高龗神 品陀和気命 |
由緒不詳。 [未確認社] |
貴船神社 | 江田島市沖美町高祖 | 龍神? | 旧称:龍宮、龍神社。 石(御神体)の伝説がある。 【『廣島縣神社誌』未掲載神社】 地図未記載神社 |
貴船神社 | 呉市西辰川2-9-10 | 髙城入毘売命 髙龗神 |
旧称:龍王社 龍神が二河川の滝から水を呑み竜巻を起し雨を降らせたという伝承がある。人身御供伝承地 |
貴船神社 | 安芸郡府中町宮の町3-1-13 | 髙龗神 別雷神 大山津見神 |
多家神社末社 |
貴布禰神社 [kifune] |
呉市豊浜町 | 闇龗神 市杵島姫命 |
市杵島姫伝承関連地 【『廣島縣神社誌』未掲載神社】 地図未記載神社 |
黒滝社 | 戸河内町猪山556 | 地主神 五帝龍王 |
猪山黒滝鄕にあった。 昭和52年、過疎のため猪山大歳神社境内地へ遷座。 [未確認社] |
東風崎神社 [kochizaki] |
呉市豊町大長字船津5983 [大崎下島] |
志那都比古神 志那都比売神 彌都波能売神 |
旧称:龍王權現社 寛正元年(1460)七月七日、島民雨請いの折、雷鳴とともに船津山に弊が降り、やがて大雨に変じたという。 その地に祠を設けて龍王權現として祀った。 宇津神社境外末社 |
渋神社 | 黒瀬町宗近柳国字渋3091 | 高龗神 | 旧称:龍王神社。 創祀不詳。 [未確認社] |
清水谷神社 | 広島市東区温品8-13-2 | 高龗神 別雷神 帶中津日子命 品陀和気命 息長帶日売命 <相殿> 大穴牟遅神 彌都波能売神 赤根龍神 市杵島比売命 伊弉冉尊 奥津日子神 奥津比売神 大地主神 国之常立神 猿田彦命 少彦名命 大田命 天照大神 火之迦具土神 大山津見神 事代主神 大年神 |
由緒不詳。 神功皇后滞在伝承地。 (八幡神は京都石清水八幡より勧請。) 弘仁十四年(823)雨乞成就の伝承。 |
多加意加美神社 [takaokami] |
庄原市口和町向泉 | 高龗神
[相殿] |
旧称:八国見大明神 『延喜式』神名帳の備後国恵蘇郡の多加意加美神社に比定される。 |
多加意加美本宮 (本宮神社) |
庄原市口和町宮内甲 | 高龗神 | 天平五年(733)二月、宮内の八国見山に創建。 延宝六年(1678)現在地へ遷座。 |
多加上神社 [tagakami] |
庄原市川北町3042 | 高龗神 | 不詳 [未確認社] |
長笹八幡神社 | 北広島町長笹 | 罔象女神 五常龍神 足仲津彦命 |
天文五年、小祠造営。 |
宮瀬神社 | 芸北町小原字宮瀬812 | 高龗神 瀬織津比売神 大物主神 罔象女神 大地主神 大歳神 倉稲魂命 応神天皇 神功皇后 |
旧称:宮瀬大明神、宮瀬八幡神社。 創祀不詳。 [未確認社] |
龍宮神社 | 広島市佐伯区海老山町8-12 | [龍神] 豊玉姫命 玉依姫命 |
明治26年創建。 平成2年、五日市港の埋め立てに伴い塩屋神社へ合祀(のち境内社へ遷座)。 『廣島縣神社誌』では「龍神」としていたが、1991年設置の案内板では「豊玉姫命・玉依姫命」に変更されている。 塩屋神社境内末社。 |
龍宮神社 | 広島市西区草津東1-15-7 | 三少童命 (表津少童命、中津少童命、底津少童命) 三筒男命 (表筒男命、中筒男命、底筒男命) |
正応年間(1288-93)、福岡の志賀海神社から勧請。
雨上がり等の日に朧気に龍体が見えることがある。 |
龍神社 | 広島市西区古江上1 | 巳の神 山の神 |
三輪明神末社 【『廣島縣神社誌』未掲載神社】 |
海津神社 [wadatsu] |
東城町小串528 | 大海津見神 | 旧称:八大龍王宮、龍王社。 明徳年中(1390-1394)「吾は八大龍王なり。船津の石を神体として祀れば村内安泰なり」云々と神託があり捜索するに石ありて祠を建て祀るという。 [未確認社] |
<相殿/合祀系>
社号 | 鎮座数値 | 祭神 | 特記事項 |
臼山八幡神社 | 広島市佐伯区五日市町石内字臼山3410 | 帶仲津彦命 息長帶姫命 品陀和気命[相殿] 伊弉諾命 伊弉册命 素盞嗚命 闇龗神 大年神[別舎相殿] 大己貴神ほか |
延暦二年(783)石内水晶城山麓に祠を建立し、豊前宇佐より勧請。
明治41年、石内の無格社四社を合祀。 【別記】 [二十年以上前に友人と夜祭りに行ったことあるような気もするがうろ覚え。] |
観音神社 | 広島市佐伯区坪井1-32-9 | 岩長姫命
日本武尊 |
旧称:苔生神社、四宝神社
延喜三年(903)に伊勢より勧請したという岩長姫命を祀る。 明治43年(1910) 肝心の大穴牟遅命と少那彦那命だけ由来不詳。 |
亀甲山八幡神社 | 神石高原町有木 | <相殿> 高龗神 |
不詳。 [未確認社] |
諏訪神社 | 吉舎町雲通995 | <相殿> 高龗神 |
大正八年合祀。 [未確認社] |
湯之山神社 | 湯来町和田471 | 少彦名命 大己貴命 闇龗命 闇罔象命 闇山祇命 |
旧称:湯元大明神、湯の山明神。
大同元年(806)勧請。 |
<特殊系>
(まとめ中)
<詳細不明の神社>
(まとめ中)
<所在不明の神社>
社号 | 鎮座数値 | 祭神 | 特記事項 |
大上神社 (龍王社) |
呉市阿賀中央8-14-20 | 志那都彦神 志那都姫神 髙龗神 闇龗神 宇気母智神 |
この地の城の守護神だった。 |
龍宮神社 | 呉市阿賀中央7-3 | 底津綿津見命 中津綿津見命 表津綿津見命 |
延宝年間(1673-81)創祀。 |
<寺院境内社>
(まとめ中)
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